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至福のとき

先日、日頃お世話になっている方のご縁で、ご紹介頂いた方を
現在住まわれているお施主さんの住宅へ、ご案内致しました。
今回は、2ヶ所の見学。
実は、当日の朝、見学したい旨をお電話した次第だったのですが、
どちらのお施主さんも、快く了承して下さいました。
"今日の今日"で、訪問できるということは、大切に住んで頂いている証拠。
本当に有難く思っています。

訪問先のお宅では、お茶を飲みながら、建築途中の頃の話や、
今の生活のこと、これからのこと、見学の方をまき込んで、
楽しく雑談。
これは、何にも勝る『至福のとき』です。
自分達が一生懸命造った家の中で、笑いながらお茶を頂く。
こんな幸せなことはありません。
これがあるから、頑張れるのかもしれません。

そんな私たちの『至福』を、
きっと、見学の方も感じ取って下さったのではないかと思っています。

お施主さんと、その先の見える関係を如何に築くことができるか。
それが大事なのだと思います。

お施主さんの幸せそうな笑顔に、
エネルギーを頂いた、そんな1日でした。

日々勉強、日々努力、日々精進、日々前進。
そうして、家は出来上がるのだと思います。

(2010.02.08)

作庭家と大工

このところ、来社する営業さんが口をそろえて
“エコポイント・エコポイント”と言っておりまして、
ちょっと閉口気味です。
本日も、設備機器メーカーさんで“エコポイント講習会”があるのですが、明日の打ち合わせ準備の為、欠席の電話をしたところです。

さて、“ジパング倶楽部”という交通新聞社発行の冊子があるのですが、今月号の記事に『作庭家の仕事』という題の寄稿がありました。
私達は、家を造ることを生業としていますが、家と庭は、本当ならば、ひとつのものとして考えたいと思っています。
なかなか今の経済状況では、難しいこともありますが・・・。

寄稿の文を抜粋させていただきます。
=作庭家の仕事は、海外の場合とは異なります。海外の場合は、「こうしてやろう」という作者の意図が先に立ちますが、日本の場合はまったく逆。庭園の形をデザインするよりも、まずはその場の特徴を汲み取り、その場に漂う空気を考えることから始めます。ですから、敷地を見ないで庭園をデザインすることなどあり得ません。=
(枡野 俊明 曹洞宗徳雄山建功寺住職・庭園デザイナー・多摩美術大学教授)

『汲み取る』『空気を考える』。
これは、その場所に住まうひと、
住まうひとのその先を考えて庭をつくるということではないでしょうか。
家を造ることも同じと考えます。
また、そうありたいと思います。

(2010.02.04)

初雪と憂鬱

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昨夜、関東地方では初雪が降りました。
今朝会社に向かう途中の田圃の風景は、それはそれは綺麗でした。
写真は、今日の11時近く。雪が融けかかっています。
瑕疵担保保険の件で来客があり、シャッターチャンスを逃しました。
真ん中に写るのは、以前ブログに載せた「碓神社(うすじんじゃ)」、
岡村建業のある太田市沖之郷町の代表的な景色の1つです。

題名にあります"憂鬱"。
建築の法律が、色々と変わってきました。

今まで私たちが行ってきた当たり前のこと、
培ってきた歴史、
そんな事とまるで関係なく、
国の決まりが出来てきて、
もしかしたら、小さな工務店、大工さん、職人さん達を
苦しめてしまっているのではないか・・・と思うことがあるのです。
一般の方には解り難い事なのかもしれませんが、
ちょっと危機感を感じています。
『生き残る』ことを、拒まれてしまうような、
そんな法律になっては困ります。

"家を造るひと"が思っている"家に住まうひと"の為に大事な事と、
"国"が思う"家を造るひと""家に住まうひと"にとって大事な事が、
何だか大きくズレているような気がします。

何故そんな時代になってしまったのでしょう。
悪徳業者がいたからでしょうか。
大きな会社が潤う為の措置なのでしょうか。
私たちが大人しすぎたのでしょうか。

これから、本来の業務に加え、色々やらなければいけない事が増えてきます。
その1つに、今日の憂鬱、瑕疵担保保険のことがあります。
会社故、保障を考える事は当たり前のことかもしれません。
ですが、瑕疵担保の保障期間は10年です。
私たちの造る家の10年は、その10年のうちに何か決定的な事が起こるようでは困るのです。
岡村建業の100年前に建築した建物は、現存しているし、
今も大事に住んでいただいております。
手を入れながら、永く住んでいただけるように、一生懸命造る。

だから、法律とはいえ、矛盾を感じて"憂鬱"になるという訳です。

そんなことを考えていたら、木の家ネットのメンバーの方より
メールが届きました。

■朝日新聞の「私の視点」掲載記事
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(2010.02.02)

家を託す

最近、建築途中の家を見ると、多いな・・・と感じている住宅メーカーがあるのです。
何故、その会社に頼んだのかを考えてみます。
理由など分かる訳はありませんが、家の形や、材料、窓から見える家の中(あくまでも建築途中ですよ!)で想像したりしています。
そしてきまって思うのは、
「何が決め手で頼んだの?」ということ。
今で言えば保障・耐震・設備機器の充実・自由度・デザイン性・エコ・・・そんなところでしょうか。
家によっては割引なんていうのもあるでしょうね。

理由は様々でも、工務店を訪ねるという選択肢は無かったのでしょうか。
そこがいつも気になるところではあります。

先日、大手広告代理店の営業さんが、住宅雑誌の掲載のことで来社しました。
しかも、岡村建業HPをきちんとプリントにして持参して。
有難いことです。
とはいえ、雑誌掲載といっても、広告と同じ(例外もありますが)。載るにはそれなりの金額もかかります。
(今現在、岡村建業の掲載記事はまるでお金はかかっていませんが・・・)
話を聞くと、営業さんの言っていることも良く分かります。
ですが、そんな広告を出せる工務店はそんなにはある訳ないのです。
逆にいえば、いつも雑誌に載っている会社は、膨大な宣伝広告費をかけていることになります。
それは、凄いことです。

どちらがよいという話ではなくて、
これから新築を計画されている方、
リフォームを計画されている方、
雑誌に載っていない工務店は沢山あるということなのです。
そして、
家を建てること、その家にかかるお金のこと、その家族の住む家の未来のこと、そして、その家を建てる人・住まう人が繋がっていくこと・・・、
そこが一番大事だと思っています。
そこに愛を感じられる会社を見つけて頂ければと思います。

どこで建てたというより、岡村さんに建ててもらったと言ってもらえたら、こんな嬉しい事はありません。
だから、発信し続ける。
これしか私達には方法がありません。
係わった家には、責任があるのです。
それが、地場の工務店の仕事だと思っています。

『愛』とか、『心』とか、
そんなところを少しでも感じられる人に
家を託して欲しいと思います。

岡村建業も、そうありたいと思います。

(2010.01.27)

襟を正す

『職人がつくる木の家ネット』。

頑張っている工務店・大工さん・設計士さん・その他建築に携わる、
木の家に前向きな人たちの集まりといったところでしょうか。 
そこに、岡村建業もメンバーとして参加させて頂いております。
ちょうど岡村建業がおまつりの準備でワーワーしている頃、
建築業界では色々な事が起きていました。
国会で取り上げられた事や、住宅の性能実験のこと、
その他沢山の、『日本の未来の家のこと』を、一生懸命考え、提議し、行動に移し、形にし、そんな活動をしている仲間です。
毎日のように届くメールのやり取り、
前向きな姿勢、地道な努力、
見習わなくちゃな・・・と思うことばかりです。

『日本の未来の家のこと』
『日本の未来の職人さんのこと』
『日本の未来の家に住まう人のこと』
『岡村建業の未来のこと』
真剣に、真剣に考えています。

微力ながらも、前向きな建築に携わる人たちの仲間でいられるように、
襟を正して頑張らねばと思っています。

岡村建業も参加しております木の家ネットのアンケートが集計されました。
この集計された方達の想い、無駄には出来ません。
ご一読下さればと思います。

http://kino-ie.net/report_097.html

(2010.01.18)

掲載紙のおしらせ

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足利漫我人(あしかがマガジン)というタウン誌があります。
地域の情報を届けて創刊25になるそうです。
その"通称足マガ"に『岡村建業100年まつり』のレポートが載っています。
足利市の書店やコンビニに売っていますので、
是非ご一読下さい。

『つくる・つなぐ・つづく』
継続は、きっと大きな力になるのだと
そう信じて頑張っています。

(2010.01.15)

エコということば

最近は色々なところで目にしたり、耳にしたりすることが多くなった
『エコ』という言葉、
最近ちょっと“エ?”と思ったりすることもあります。

住宅であてはめて考えてみても
何をもって『エコ』といえば良いのかちょっとわからなくなることもしばしば。
家全体のことで考えれば、
リサイクル可能だったり、燃やせる材料だったり、
それを考えるのであれば、昔ながらの木造建築はそれに当てはまるでしょうか。
しかし、今の決まりの中で家を建てたとしたら、
それをするのは不可能に近い。
法律もそうですし、家を造る材料だって、『エコ』とは程遠いものなど、沢山ある訳です。
最近で言えば、住宅にも国が『エコポイント』を導入することとなり、それに向けて色々準備が進んでいます。
では、エコポイントが付く住宅そのものは本当に『エコ』なのか、
考えれば考えるほど矛盾を感じてしまうことが多すぎる気がします。
『エコ』ということば。
これをどう解釈するか。
考えなくてはいけないことですが、やっぱり矛盾も多いのです。

「みんなエコエコ言ってるけど、もっと大きな意味で考えたほうが良い」
と、ある若い歌手が言っていたことがありました。
それが一番、何だか納得する意見でした。

(2010.01.14)

ある日の現場で

年末のある日、
ガスコンロの取替に立ち会っていたときの話です。

ガスコンロの設置をいつも頼んでいる会社の社長さんが、
工事に来ていました。
以前新潟の震災の時に、ボランティアで参加したそうです。
「震災の時必要なものは何か」という、
現地に行ってみて痛感したことを教えてくれました。

1.発電機
2.プロパン
3.井戸
4.トイレ

これを、普段使わなくても良いから公共の施設に備蓄もしくは設置できる(しておく)場所をいくつも作っておくことだそうです。
発電機があれば、井戸の水は汲める、プロパンは移動してどこでも火が使える(地下埋設の都市ガスでは無理ですものね)、トイレは、頑丈な施設に災害用に用意しておくトイレのことだそうです。
とにかく、仮設のトイレに溢れかえっている人たちをみて、
「次の人が列作って待ってたら、出るもんも出なくなってかえって体壊しちゃう」と言っていました。
多分、そこにいた人達が一番困っていた事なのでしょうね。
"安心して入れる個室としてのトイレ"という意味で、
用意しておいても良いのではないかと。

災害の場所や程度にもよりますが、もしその用意していたものが使える状況だったとしたら、こんなに役立つものはないのかもしれません。

これは、ガスやさんが感じたこと。
"大工さん"の立場からみた必要な事というのは何でしょう。
『万が一』のことを考えておくことは大事なことですよね。

阪神淡路大震災の日がもうすぐですね。

(2010.01.08)