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匂い・臭い

先日、個人的に新築住宅を見学する機会がありました。
そこで感じたのは『におい』でした。
人それぞれ、感じ方は違うとはいえ、
今回感じたのは『臭い』。

自分達で記憶している
『新築のにおい』=『木の匂い』『畳のい草の匂い』が、
残念ながらしなかったのです。
最近は嗅ぐことのあまりなくなった
『化学物質(ホルムアルデヒド)』の臭いでした。

自分の中に感じている常識。
それと違う事が起こると動揺します。
脳が、『化学物資のにおい』と『新築のにおい』を『=』としていない脳の場合、想定外の環境に置かれると、体が対応できないのだと言う事が良く解りました。

事実、頭がボーっとしたり、
後頭部が重たくなったり、
そんな症状が出てしまうものなんですね。
確かに、15年位前は、住宅で使うのりやコーキング(クロス工事等)のにおいはこんな感じだったのかもしれません。
ですが、最近は現場の『におい(臭い)』に違和感を感じる事が無かったのだなぁ・・・と、
ちょっとショックでした。

如何に仕事をしている環境がよい環境なのかということを
実感した日でもありました。

それにしても、いつも思うのですが、
日本語というのは、同じ読み方をしていても、まるで違う感じ方の意味を持つ単語がありますね。
<におい>もそうですね。

(2010.10.12)

良し悪し善し悪し

先程、ハウスクリーニング(現場が終了すると、クリーニングを頼みます)の打ち合わせだったのですが、
そこでの会話をひとつ。

日程調整の話の中で、
「岡村の現場は綺麗だからな~」と。
「え?汚い所とかあるの?」
「あるよ~、どうしょもねぇところがいっぱいだよ。」
「どうせクリーニングは入るんだからって汚いままのところとか・・・」
どうしようも無い所って、どんな現場なのでしょう。
汚いままの現場って・・・。

ちょっと考えてしまいました。
現場にお施主さんが入らないっていう所でしょうか。
そんな現場が、未だにあるのですね。
ちょっとショックでした。

建売や、アパートなどは、そこに住む人は、綺麗になってから入る訳で、それを考えれば、そういう現場があってもおかしくないのでしょうね。
また、残材処理や、後片付けをする時間を省いているのかもしれませんね。

きっとそこには、『温度』のようなものは無いのかもしれません。

「岡村の現場は綺麗だから」
この言葉の裏側は、
短時間で作業が終わることが出来るということ。
仕事がし易いということ。

「岡村の現場は綺麗だから」
最高の褒め言葉ですね。

日々精進です。

(2010.10.08)

プロとして最低限の事

日曜日のテレビで、
解体が途中でストップしていて、隣家が危険にさらされている現場のリポートを観ました。
鉄筋コンクリート3階建て(だったと思います)の解体は、隣家との境界の三階部分の壁を一面だけ残し、中断していました。
その映像を見て、唖然としてしまいました。
とにかく養生もろくにしていないで、鉄筋がむき出し。
どこか外国の地震の現場のようなコンクリートの残骸が、
隣家にはみ出した状態でゴロゴロしています。

中断の理由は
「追加でお金を払ってくれればいくらでもやる」とのこと。
そんなことがあるのでしょうか。
見積りを出し、双方が了解した上で始まる工事。
それが途中で、しかも隣家の危険を考えず中断する事が
あるはずもありません。
少なくとも私たちはそうです。
そんな中途半端なことってあるでしょうか。

十分注意して養生をした現場でも、隣家に御迷惑をおかけしてしまうことはあります。
ですが、そのことは、いつまでも胸に傷として残っているものです。
また、そこから反省や、改善をしていかなければいけないと思います。

今回のテレビの映像には、解体の様子も映っているのですが、
とにかくあんなこと、あり得ません。
前回の悲しい話につづき、また暗い話ですが、
プロとして最低限の事は、するべきだし、
それが出来ないのであれば、やる資格がないのではないでしょうか。

隣家の屋根は、穴が開いているし、ガラスは割れているし、
こぼれたコンクリートが駐車場に落ちているし・・・。
映像を観た解体業者さん達は、腹が立ったのではないでしょうか。

それくらいの衝撃でした。

(2010.10.04)

悲しい話

町の中心部が、高齢者ばかりになってしまっている場所は、
どの地方にもあるのではないかと思います。
先日のそんな場所での立ち話より・・・。

「こう雨が続くと雨漏りがね」
「どの辺りですか?」
「お勝手まわりが酷くって・・・」

実はそのお宅の2Fの屋根の瓦が1枚欠けているのです。
その事をふと思い出し、
「2Fの瓦が1枚欠けているんですよ」と教えてあげました。
すると、
「だからなんだ・・・」「私たちには見えないもんね」
「もし必要なら瓦屋さんに見てもらいましょうか?」と言いました。

「前に瓦で引っかかって、えらい大金払っちゃったんだよ」
と言うではありませんか。
「引っ叩きたい位なんだよ」と。

そんな場所には、この手の話が多いのが現実です。
悲しい話です。
ほんの一握りの、ずるい人たちが、
私達の仕事の信用を下げているのかもしれません。

長年その職業に就く、その職業を続ける
ということは、それなりの覚悟や責任があると思うのです。

お施主さんから頂く大切なお金。
その価値を解る人・会社でありたいと思います。

先日の会話で
『ぼられた』という言葉が何回か出てきました。
胸が締め付けられる思いでした。
怒りが込み上げてきたと言う方が正しいでしょうか。

顔の見える関係
温度の伝わる関係
そうでなければいけないと思います。
家を造ることを生業にする者として。

(2010.09.29)

過渡期

過渡期という時期は
どこかで必ずやって来ます。

どこを取って“過渡期”というのか
難しいですが、
旧いものから新しいものへと移っていく途中の時代(広辞苑)
を、大切に過ごす事が
きっと大事なんだと思います。

過程が大事なんだと。

思いつくままに言葉を並べてみます。

お施主さん
歴史に恥じない
技術
丁寧
真面目
勤勉
柔軟
筋を通す
勉強
発信
仲間
義理

温度

つくる
つづく
つなぐ

過渡期。
大切な時期であり
大切な言葉です。

(2010.09.22)

高い安いの理由。

ようやく秋らしくなったと思いきや、
今日は暑かったですね。
群馬県太田市、まだまだ"残暑"は続きそうです。

今日は建築費のことを少し。

このことについて、色々と思うところはありますが、
『高い』『安い』の根拠は何か?ということ。
根拠というか、理由があれば良いと思うのです。

建築費といっても、
材料や、流通コスト、人件費、技術費・・・、
建築費用には色々なものが含まれています。
材料ひとつ取ってみても、
材木だったら、外材、国産材、銘木、ボード類、
量販か、一点物か。
国産材と言ったって、産地や、その材木の良し悪し・・値段は様々です。
それをどう使うか。
それを考えていくのも私たち工務店の仕事です。

以前のブログの中で、
辰巳芳子さんのことを書きました。

"素材がもつ性にしたがって扱うべし"
"また、扱えるひとになってほしい"

これは、大手の規格の住宅のものでは
きっと出来ないことなのではないかと思うのです。
そこが大きな違いなのだと思うのです。

建築費を考えることは大切なことです。
その、建築費を、
有効に使っているかどうかが大事なのだと思います。

『高い』の理由。
『安い』の理由。
必ず理由があるのです。
また、
理由がなければ、根拠がなければ、
いけないのだと思います。

日々精進。
『つくる つなぐ つづく』の為に。

4月16日のブログ
筍の下拵えより

(2010.09.18)

レールに乗るか乗らないか

連日の猛暑、もうそろそろ秋を感じたいものです。

昨日も群馬県太田市は暑かったです。
とにかく風も吹かないし、
汗はあとからあとから出てきます。
また今日も、日中は暑そうですね。

さて、レールに乗るか乗らないか・・・。
よく、私たち工務店に向けて、
メーカーさん等が、"イベントをやりましょう"とか、
"こうすれば受注アップ"とか
色々なアドバイスを下さる事が多いのです。
岡村建業の担当のいろいろな会社の営業さんたちも、
よくそんな話をしていかれるのです。
プラス販促グッズの紹介もしたりして。

でも、私たちが思うのは、
『そういうことではなくて・・・』
ということ。
その微妙な感情を汲み取ってもらうのは容易ではありません。

要するに、
『用意されたレールに乗る』のが苦手なんです。
多分。
『あまのじゃく』というか。
お膳立てして頂いて、レールに乗るということは、
何だか出来ないんですよね・・・。

解り易い例で言えば、
ホームページなどはそうです。
雛形さえ買えば、あとは入力するだけ・・・という
工務店様向けツールのようなものがあるのですが、
"皆同じ"ような画面になってしまうのです。
また、すぐに更新したりする自由度が無かったり。
岡村建業のHPは、その逆を考えて出来上がったものです。

毎日考えています。
岡村建業のこと。
岡村建業の未来の事。

自らで考え、自らで実行し、反省し、次につないで。
今年、来年のことももちろん大事ですが、
10年先、20年先、そのまた先のことも
考えています。

要するに、レールに乗るか乗らないかと聞かれたら、
乗らないから、頑張る。
それしかないですね。

blog2150.jpg
『オカケンブログ』第2号が出来上がりました。
岡村建業100年まつり以降のオカケンブログを
抜粋してまとめたものです。
機会がありましたら、是非ご一読下さい。

(2010.09.06)

お福分け

群馬県太田市、連日、猛暑が続いています。
今年は今のところ、何故か雷雨や大雨が来ることがなく、
拍子抜けの感じです。
この地域は、風はもちろんですが、
雷が本当に多いところなのです。
雷での被害は、毎年のように聞く話題なのですが、
それもそんなにはなく。
毎年、気候については“今年はちょっと変だ”と言っているのですが、
こう雷や雨が降らずにいることも、“ちょっと変”です。
一昨年のダウンバーストに遭った経験から、
何かおきた時、どうすればよいかということが頭を過ぎったりするのですが・・・。
“災害は忘れたころにやってくる”と言いますから、
天気を気にすることだけは、毎日忘れないように過ごさないといけませんね。
岡村建業を直撃した一昨年の災害は、ハンパじゃなかったし、
なにより、突然に起こったのです。
災害は、“メンタル”の面でのダメージが思った以上に大きく、
これが一番乗り越えるのに大変でした。
大切に建てた家が一瞬で傷つく・・・なんとも言えない悲しさがこみ上げて来たのです。

と、タイトルと随分とずれました。

先日、ブログで、お裾分け=幸せのお裾分けと書きましたが、
その後、ある方からこんなことを言われました。
『お裾分けは、お福分けとも言うのです』と。
“お福分け”・・・素敵な言葉ですね。

(2010.08.25)